小さな発想を発明まで昇華させる
何かを新しく考え出したいとき、どうすればいいのか
まず言えることは、日頃からヒントになるようなさまざまなことをつみかさねていないと発想段階で終わってしまうということ。
発明についての話に、それこそヒントがあります。
良い発明が生まれるためには、日頃からヒントになることをたくさん積み重ねないとならないそうです。良い悪い、大きいこと小さいことは別として、まず質より量を心がける。そうしているうちに、それが自分の血となり肉となるのですね。体験と知識に育ってくると、発明までの素地が整ってくるわけです。
誰でも考えは思いつくもの。しかし、最初にふっと浮かんだ発想から発明までには結びつくことはない。これは、経験から考えても納得できます。10や20であきらめてしまうのではなく、また10、20と加えていく。それがやがて発明に至ることになる。つまり、よくいうところの成功するまでやり続けるということになるのでしょう。
発想は歴史を創り富を生んでくれる
ふとした発想から人類の文明が築かれて富を生んできたのは間違いありません。そう考えると、創意すること、創造すること、発想することは、脳内に埋もれた宝物だと考えることができます。
ということは、個人の発想は社会の宝でもあり、社会をより良くするための想像の種であるとも言えます。こう考えると、日頃からちょっとしたことでも考える癖や発想する癖をつけておくことは、宝にありつける確率を上げることになります。
ふとした発想から生まれた成功例
*かかとのないスリッパ
「学生時代に、つま先立ちで平均台を歩いたとき、息を切らしたことがあったなあ。それなら、普段からつま先立ちで生活したら、かなりカロリーを消費できるはず。」
かかとのないスリッパは、当時すごい話題になりましたが、発明した方はこんなふとした発想から商品化したようです。最初はなかなかうまくいかなかったようですが、考えをやめずにいると、「スリッパのかかと部分がなかったら、必然的につま先だけで体重を支えて歩かなければならないから、そのうち無意識につま先歩きになる」という運命的なヒラメキにたどり着いたそうです。
*メモクリップ
デスクワークで、メモした紙を見えるところにおいておく手段として、セロテープやピン、画鋲、磁石、ポストイットなどで止めていました。あるとき、新聞紙の上にヘアブラシが乗っているのを見たこの方は、「ブラシはもしかすると、紙を抑える道具になるかもしれない」と考えたのが、メモクリップへ至る最初でした。
完成の形は、紙をはさむためのブラシの毛が、両サイドから逆Vの字にはえて、ブラシの毛先の楕円形の断面が、顔を合わせあう構造になっています。これにより、紙が差し込みやすく、落ちにくく、簡単に抜き取れるようになっています。しかし、ここに至るまでは何度も何度も試作を重ねてできたと言います。
まとめ
ふとした思いつきを、ふとしたことだけで終わらせるのか、発明や消費化までこぎつけるのかは、普段からのヒントの積み重ねです。普通の会社員や主婦の方々の発想からになるので、特別な才能がある方たちだとは言えません。
「頭の中からアイデアの火を課さないこと」
これがいちばん大切なことなのだと思います。
参考文献:「小さな発想をお金に変えるテクニック教えます」横井秀典著