学校 完食指導問題 児童の給食を過剰に強制 その境界は背中合わせ

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学校 完食指導問題

 

冒頭からですが、筆者は小学校時代、給食は完食しなければなりませんでした。精神的には普通ではいられなかったことは事実です。

この記事では、その指導について浮上している問題をまとめます。

 

 

学校 完食指導問題 不登校、会食恐怖症…

 

実は、この問題は既に過去のものと思っていました。小学生の子どもたちと接する機会がある筆者は、それについて何回か聞いたことがあります。

その時の生徒の回答は、「食べなくても大丈夫」というものがほとんどでした。ただ、若干ですが「食べないとだめ」という生徒がおり、指導はまちまちだと感じていました。

そこへ、この問題が浮上。「まだ問題になるんだ」というのが正直な感想ですが…。

 

 

学校 完食指導問題 その実態は…

 

 

具体的に起こった事例としては…

 

岐阜県の小学校

50代教諭が1年生のクラスで給食を残さないように指導。数カ月の間に4人の児童が嘔吐

 

静岡県の小学校

当時小学6年の児童が、担任から給食の牛乳を飲むよう強制されてPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症

 

この事例では、児童に大きな健康被害が発生したそうです。

しかし、表面化していない事例はかなりあると言います。問題が解決しない1つの要因は、相談先が少ないことだそうです。

ひどい例としては…

給食を食べない児童に対して、担任がクラス全員の前で謝罪させることを強制。

というものでした。その度合がどれだけかによっても是と否が分かれると思いますが、これは行き過ぎた例と言えます。

問題となるのは、それがトラウマになったり、後遺症として残ったりすることです。学校給食は楽しいものなのに、それが逆に恐怖になって不登校になるケースや、この指導がきっかけで「会食恐怖症」になってしまうケースが多くあるそうです。

 

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会食恐怖症

心療内科の医師でさえ病名を知らないことがあるほど「マイナー」な病気だそうです。

会食恐怖症になるのは、8つの原因があるそうです。

1,残しちゃいけない
2,いっぱい食べなきゃいけない
3,早く食べなきゃいけない
4,音を立ててはいけない
5,食べる作法を間違ってはいけない
6,美味しく楽しく食べなきゃいけない
7,体が震えてはいけない
8,嘔吐してはいけない

この経験が、ストレスが多い時期にすると発症しやすかったり重症化しやすいそうです。

症状は、吐き気、めまい、胃痛、動悸、嚥下(食べ物が飲み込めなくなる)障害、口の渇き、体の震え、発汗、顔面蒼白、空気を飲み込んでおなかが張る呑気、黙り込んでしまう緘黙などがあります。

 

 

学校 完食指導問題 その是非は?

 

では、完食指導は悪いのかとなりますが、それはまた早計です。

完食は、児童にしっかり栄養が行き渡りますし、食べる種類が増える楽しみもあります。そして、残飯の問題もありますから廃棄量の減少も良い点です。

では、なぜ問題になるのか。後遺症が残ったりすることがだめなのか。

それもあるでしょうが、そう言ったら他の指導でもできなくなってしまうことがたくさん出てきます。児童はまだ物事の判別がきちんとついていませんので、ある程度「しつけ」という意味の厳しい指導も必要です。

こうやって問題が浮上するのは、「やり方」がまずいと言えます。嫌いなものは嫌いであり、それを無理に食べることは誰だって嫌です。

「みんなと同じことをしなければならない」というところがスタートだとしたら、その時点で間違っているのではないでしょうか。

実際に、世間の意見としては「完食指導」について完全否定する人はそう多くはないと思います。しかし、昭和の頃の指導とは違います。強制をせずに食べられるようになる指導が求められているのでしょう。

それは必ずあるし、見つかるはずです。現場の指導は大変であることを承知のうえで、全国的にその方向に進んでいってほしいと願います。

 

 

学校 完食指導問題

 

ここからは筆者の経験談です。時間の無駄であればスルーしてください。

今回のこの問題は、冒頭に書いたとおり私も完食指導経験者だから、それに対する思いがあります。

もともと何でも好きな私でしたが、「ポタージュ」「コーンスープ」だけはどうしても嫌いで食べられませんでした。誰に聞いても「美味しいじゃん」って言われるのですが。(笑)

当時は、2週間の献立表が配られたのですが、いわゆるホワイトソース系のものが出るのは、ほぼ決まって土曜日でした。実は、小学校は皆勤だった私ですが、その日が来ると本当に休みたいと思いました。

給食のおばさんには、私が嫌いなことを知っていたので、かわいくイジられてもいました。こういうことは今でも鮮明に覚えているものなのですね。

小学校2年生のとき、中でも一番キライなグリーンのポタージュが出ると、食べられなくて給食の後まで残されていました。掃除が始まって、机を教室の後ろに移動するので、その机の間で。

その時はいつも、もう1人、肉が食べられない友達が一緒でした。だいたいそこには肉が入っていたためです。2人でずっと手が動かないまま掃除の時間が過ぎていきました。

しかし、私は最後の手段をいつも残していました。

それは、牛乳を半分くらい残しておいて、一気に飲み込んでいく方法です。

意を決すると、大きく息を吸ってから息を止めてポタージュを一気にかきこみます。匂いを感じないうちに残った牛乳を一気に飲んで流し込みます。

それで、その窮地を毎回乗り切っていました。しかし、子供にとっては、その意を決するまでに相当時間がかかるんですね。

小学6年生まで、「それ」が出たときはいつもこれが続きました。そして、中学になってからは、嫌いなものは食べなくても良くなったのです。本当に嬉しかったです。

ただ…小学校の給食は、県で賞をもらうほどものすごくおいしい給食でした。ですので、中学の給食はまあ普通と言えましたが、私にとっては小学校の味が忘れられず、中1の頃は「あまりおいしくない」って思っていました。

ポタージュ地獄を考えても、実は小学校の給食は最高だったことを付け加えておきます。

ということで、勝手に筆者の経験を書いて失礼しました。私の場合は、悪い症状とかはなかったのですが、不登校になる気持ちはよくわかります。小さい頃は、悪いことがあるとそれが世界の全てになってしまうようなところがありますから。

「学校給食」…とても素晴らしいこの「文化」。良い形で継承していってほしいと願います。