気候フィクション(Cli-fi) SF小説や映画が人気の理由!異常気象の現実と認識

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気候フィクション(Cli-fi)  SF小説と映画はなぜ人気なのか

 

気候変動に関連した小説とか映画は、以前からあるもので目新しいものではありませんが、今まではサブジャンルでした。しかし、地球温暖化問題を始め、異常気象が世界で頻繁に起こっている現実から、SFジャンルで主流になっています。

 

この記事では、その理由を中心に現実とSFとの関連をお伝えします。

 

 

気候フィクション(Cli-fi) SF小説や映画が人気の理由!異常気象の現実と認識

 

 

気候フィクション(Cli-fi) とは

 

 

気候フィクション(Cli-fi)という言葉はこれからもっと聞くようになることでしょう。

 

気候変動や異常気象といったものをテーマとしたフィクション小説のことを、SF(Si-Fi)をもじって「Cli-Fi」クライ・ファイと呼んでいます。

 

「Cli」クライは、Climate(クライメイト、気候)から取ったものです。造語で新しい言葉なので、広がりはこれからですね。

 

アメリカの作家、ダン・ブルーム氏はCli-fiの熱狂的なファンだそうです。彼によると、「Cli-fi」は地球温暖化や太陽系の惑星から降り注がれた隕石など、より地球向きなものに焦点を当てた作品を言うそうです。

 

映画では、「デイ・アフター・トゥモロー」がそれに当たります。2004年作品ですからもう15年も前になりますが、世界中で異常気象になって人々がパニックになる内容でした。

 

「ボルケーノ」とか「ツイスター」なんていうSF映画もありましたが、これらもこのジャンルに入りますね。

 

アメリカでは、広がりをみせているようですが、「Cli-fi」という言葉はどうやら確立しきってはいないようです。スタンダードな言葉になるかどうかは、これから次第ということになりますね。

 

ちょっと怖い言葉という感じはしますが、こういった小説や映画で仮想現実を体験することは、認識を上げるためには必要なことだと思いますので、今後もっと増えていくことは間違いないのではないかと思います。

 

 

 

 

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気候フィクション(Cli-fi)  SF小説や映画が人気の理由

 

 

人気になっているのは、世界中で異常気象が以前より高い割合で起こってきているために、人々の関心が高まっていることが大きな理由となっています。

 

また、もともと運命論を信じている人は多くいるので、そういった人たちからも人気のようです。

 

運命論は簡単に言うと、「この世の人事や現象の進行は,すべてあらかじめ定められた運命によって支配されている」という考え方に基づいた人生観です。

 

これを肯定するか否定するかは、ここで伝えることではないのでしませんが、歴史上常にこういう考え方はあったと思います。

 

「ノストラダムスの大予言」がいい例ですね。「1999年7の月に人類が滅亡する」という解釈がされたために、世界中でものすごいブームになりました。もちろん日本でも。

 

私も、これについては五島勉さんの著書はほぼ全部読みましたので、とても関心がありました。共感してくれる方も多いと思いますが、キーワードの1つ「恐怖の大王」とは何なのかといった話題は今では懐かしいとさえ思えます。

 

話を戻しますが、実はこの気候フィクション(Cli-fi)を広めた人物の1人が、ドナルド・トランプ大統領だと言われているようです。

 

地球温暖化対策を国際的に進めていくという枠組みの「パリ協定」からの離脱を表明したことが、それに当たります。

 

つまり、「気候変動が現実のものと捉えるべきではない」という考え方があって、それに対して「何を言っているんだ」と反発する構図が、世界的にできたわけです。

 

それによって、皮肉と言ったら語弊があるかもしれませんが、Cli-fiが支持を集めるようになったというわけです。これは、前出のダン・ブルームさんの見解です。

 

気候変動は、今や世界的な関心事です。地球に住む生命体の危機が迫っているという思想が、人間1人1人の思いとして芽生え、どこかに存在している状況かと思います。

 

それが世界の情勢であることは、多くの識者たちも唱えていますので、気候フィクションの小説を読み、映画を見ることで認識を深めたい心理があるのでしょう。

 

やはり、そういった気持ちが人気の大きな理由と言えます。

 

 

 

気候フィクション(Cli-fi)  作品や番組

 

 

実際の動きを見てみます。

 

フランス

気候変動でもたらされるディストピアという将来あり得る出来事をテーマにしたテレビ番組→視聴者と批評家から高く評価される

ディストピアは、ユートピアの反対の社会のことです

 

アイスランド

作家のシグリズル・ハガリン・ビョルンスドッティルの「Blackout Island(停電の島)」

 

アメリカ

作家のジーン・ヘグランドの「スイッチ・オフ(Into the Forest)」

 

ノルウェー

作家のマヤ・ルンデの「蜜蜂(The History of Bees)」

殺虫剤で地球上から昆虫がいなくなり、人間が手で作物の受粉しなければならない世界を描いたもの

 

アメリカ

作家のジョン・スタインベックの「怒りの葡萄(The Grapes of Wrath)」

気候変動による難民の悲惨な体験のストーリー

 

映画

「ジオストーム」、「スノーピアサー」

 

まだまだありますが、こうしてみても気候フィクション(Cli-fi)をテーマにした作品は多く、視点や設定を変えると様々な物語が考えられますので、今後益々加速していくことになりそうです。

 

作品は、いたずらに恐怖を煽るだけになっていることもないとは言えませんが、物語として「知る」ことは必要なことと言えるでしょう。

 

人が1人で空想しても限りがありますが、それを言葉で、そして映像で確認することによって、どんどん認識が深まっていきます。

 

娯楽に中にでそういった機会が増えることは、良い方向ではないかと思います。

 

 

最後に…

 

今回は記していて、今はそういう状況に来ているのだということを、改めて確認する機会となりました。

 

きれいごとを書くのは簡単ですが、ここでは近年の気候フィクション(Cli-fi)事情をお伝えするのに留めたいと思います。この記事が何かのきっかけになれば幸いです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。