玉井陸斗 一発勝負 東京五輪への切符
飛び込みの玉井陸斗選手は、2019年4月の日本選手権で優勝を飾ってから、最年少での東京オリンピック出場に注目が集まっています。
わずか12歳という超新星ですが、五輪出場には年齢制限という壁が立ちはだかっています。
この記事では、その詳細の他、飛び込み技術の高さ、実際の動画、素晴らしい筋肉、経歴や中学など、玉井陸斗選手を解剖します。
玉井陸斗 一発勝負 東京五輪に年齢制限の壁!実力を動画で確認
玉井陸斗 一発勝負 東京五輪に出場するための条件
玉井陸斗選手は、6月11日のシニアの国際大会デビュー戦「グランプリ(GP)スペイン大会」でも4位に入る活躍をみせました。今後、東京オリンピック出場への選考会は3つあるのですが…
実は、そのうち2大会は年齢制限のため出場できないことが明らかになりました。ということは、残り1つの大会で結果を残さなければいけないことになるのです。
それこそ、まさに一発勝負です。
もともと、3つの選考会のうち1つ目の「世界選手権(7月に韓国で開催)」は、国際水連による「開催年末に14歳以上」という年齢制限をクリアできないことはわかっていました。
ここはしょうがないのですが、2つ目の「アジア杯(9月にマレーシアで開催)」は、派遣が可能と見られていました。
しかし、こちらの同じ制限がかけられることになってしまったのです。日本のスポーツ選手が活躍すると、ルール改変されたりすることがあちこちで起こっているせいもあって、何か世界は日本のスポーツ選手に対して厳しいのではないかと思ってしまいます。
ということで、あと1つしか残された道はなく、それは来年4月の「ワールドカップ東京大会」で準決勝進出(18位以内)に入ることとなりました。
この一発勝負になったことに対して、玉井陸斗選手は、
「ちょっと悔しいけど仕方ない。なんともならないので」
と語っています。
これで思い出すのは、フィギュアスケートの浅田真央さんが14歳のときに、オリンピックに年齢制限で出られなかったことです。あのとき出場できていれば、かなりの確率で金メダルが取れたと思います。
しかし、今回はチャンスが残っているわけです。チャンスさえなくて出場を閉ざされたケースとは違いますので、実力で勝ち取ることが出来ます。玉井陸斗選手の実力があれば、必ずやってのけてくれるはずです。
玉井陸斗 プロフィール
生年月日:2006年9月11日(12歳・中学2年生)
出身:兵庫県宝塚市
身長:143センチ
体重:36キロ
好きな食べ物:焼き肉(タン)
玉井陸斗選手は、現在兵庫県宝塚市立高司中学校に通っています。今年の4月に中学1年生になったばかりです。
さすがに運動神経は抜群で、加えて勉強も抜群だそうです。ということは…そう、クラスではモテモテのようです。
家族は、両親と兄が1人の4人家族だそうです。お兄さんの影響についてはわかっていませんが、両親が飛び込みを習わせたくらいですから、お兄さんもやていた可能性が高いですね。
少なくとも、ご両親のどちらかは飛び込みに携わっていたでしょうから、環境は整っていたのではないかと考えられます。
では、飛び込みの経歴について。
玉井陸斗選手は、わずか3歳でJSS宝塚スイミングスクール(※)で競泳を始めています。
※ JSS宝塚スイミングスクール
選手育成コースがある本格的な水泳スクール
飛び込み競技で五輪5大会出場の寺内健選手を排出、世界選手権で2001年に銅メダルを獲得した荒井祭里選手も通っていました
小1のときに体験した「飛び込み教室」にはまったそうです。ノースプラッシュやしぶきが立たない技ができると快感だと本人は語っています。
13年世界選手権代表の辰巳楓佳コーチの指導を受け、小5からは全日本ナショナルチームヘッドコーチ馬淵崇英氏に師事し、2018年5月より本格的に高飛び込みに取り組むようになります。
ということは、それから11ヶ月で日本一になったということになります。す、すごすぎます!
玉井陸斗選手は、世界トップレベルと言われる「後ろ宙返り3回半えび型」という技をすでにマスターしています。
さらに、辰巳コーチのこんなコメントがあります。
「109C(前宙返り4回転半抱え型)は最初から形になっていた。ロケットのような成長速度」
また、寺内健選手もこんなコメントを残しています。
「(現在、世界最強の)中国人選手を倒せる。同年代でこの難度を、このクオリティーでできる選手は世界にいない。初めて高飛びで世界チャンピオンを目指せる選手」
2人から太鼓判を押されるほどの選手ということです。本当に突如現れた超新星なんですね。
玉井陸斗 飛び込み動画 筋肉の凄さがはっきり!
玉井陸斗選手は、12歳という年齢なのに優勝できたのはなぜなのでしょう。だって、2位と3位の選手はともに23歳で日本国内のトップ選手ですから。それを越えての優勝って、素人が考えてもとんでもないことだということはすぐわかります。
それは、腹筋の「シックスパッド」なのです。というのは冗談ですが、鍛えた体も要因の1つには違いありません。
では、最大の要因はどこにあるのか。それは、主に2つになるのでしょう。
1つは、「109C(前宙返り4回転半抱え型)」や「逆立ち後宙返り2回 2回半ひねり」という超難度の技がこなせるということ。109Cをフィギュアスケートに例えると、12歳で4回転ジャンプに成功していることと同じようなレベルであるそうですから、唖然とします。
そして、もう1つは着水時に水しぶきがほとんどあがらない「ノースプラッシュ」を身に着けていることです。高得点には欠かせない要素です。
練習のようすです
#玉井陸斗 くん pic.twitter.com/uMVRKand5F
— きたがわ しょーた (@Syota_Kitagawa) 2018年11月11日
これからが非常に楽しみですね。最近は、とても若いスポーツ選手の世界的な活躍が目立つようになってきました。
奇しくも、NHKの大河ドラマ「いだてん」で、オリンピック初出場からの経緯を伝えていますが、こんなにも日本人が様々なスポーツ界で活躍するようになって、本当に素晴らしい結実になっていると思います。
こうやって、「飛び込み」というスポーツジャンルで夢を与えてくれる玉井陸斗選手の活躍が、裾野を広げてくれることになるでしょう。
そんな意味でも、玉井陸斗選手には何としてもオリンピックの切符を手にしてほしいと願います。