羽生善治 歴代最多!NHK杯優勝&棋戦優勝トップの快挙!!
無冠になった羽生善治九段が、早速一般棋戦の「NHK杯将棋トーナメント」で優勝し、一般棋戦の優勝回数がトップになりました。
この記事では、羽生善治九段の歴代最多の快挙に関して、本人の感想や気持ちを中心にまとめます。一般棋戦歴代ベスト10も掲載しています。
羽生善治 歴代最多の前人未到の快挙
過去の一般棋戦優勝回数のトップは、大山康晴15世名人の44回で、羽生善治九段はタイ記録で並んでいました。今回、NHK杯の優勝で単独トップとなりました。どんな感想を持ったのでしょうか。
羽生善治 NHK杯優勝の感想
羽生善治九段の快挙に本人はどういう気持ちか、インタビューに答えています。
まず、NHK杯優勝の感想ですが、早指し戦のNHK杯で優勝できたことをうれしく思っていると伝えています。新たな世代の台頭やAI時代に入っても、ベテランが短時間で指さなければならない早指し戦で優勝するということは、まさに快挙です。
また、こんな感想もあります。
「もちろん若さでの早見えの強さも間違いなくあると思ってます。一方で経験値というか、年齢を重ねて出来上がるものもある。そちらの部分でも可能性はあるのかなと思っています。」
そう、経験値によるとっさの指運とでも言いましょうか。僅かな時間で迷ったときに「こっちが正解だろう」という感覚。これがある故に、早見えできる若手必ずしも有利ではないというわけです。
誰にも当てはまるものではないですが、羽生善治九段は、早見えも経験値も高いですから、まとめると「総合力の高さ」になるのではないでしょうか。
いずれにしても、まだまだ「羽生善治ここにあり」を見せつけてくれました。
平成という元号が始まった年に優勝して、最後の年に優勝した羽生善治九段。これも将棋界の第一人者である羽生善治九段らしいと思います。これに対しては、こんな感想を伝えています。
「気がついてみたらずいぶん長きにわたって参加をしていたんだなあと実感としてはありますし、そういう機会があり続けるということは棋士としてはありがたいことと思っています。」
30年という長きに渡り第一線で活躍し続けている証ですね。本当に凄い方です。
羽生善治 一般棋戦単独トップの感想
これについては、数字について特に意識をしていなかったそうです。一つ前進することができて良かったという率直な感想が返ってきました。そして、大山康晴15世名人を越えたことについては、こう伝えています。
「時代背景とか棋戦の数とかが全く違うので、数字だけで比較することではないかなと。でも直接、10代の頃に教わっているということもありますので、その大山先生のいろいろな指し方を学んで、これから先も前進していけたらいいなと思います。」
やはり、スポーツの偉大な記録などでもそうですが、達成して時間が経っていない今は、そう実感はないのかもしれません。後になってすごい数字を残したものだと思うものなのでしょう。割りと淡々と語っていた印象です。
羽生善治 無冠になった気持ち
これについては、「長いこと棋士を続けていればいろいろな時期がある」と割り切った気持ちでいるようです。その上で、「今自分が出来ることに集中してやっていくだけ」という気持ちを伝えています。
もう勝負の厳しさを知り尽くしている羽生さんだからこそ、この境地になっていることは理解できます。一喜一憂せず、泰然自若にまた一戦一戦を精進して戦っていくだけということですね。
また、タイトルを失った後最初の優勝について、ちょうど年度の終わりの切り替わるタイミングで結果が残せて、この先の大きな推進力になればいいとも伝えています。
羽生善治 今後の目標について
AIが台頭してきている現在の将棋界において、羽生善治九段も「ここ1、2年で将棋そのものの内容がずいぶん変わってきている」と認識しています。それ故に、「自分なりに勉強して、今の時代の将棋に対応できるようにしていきたい」旨を伝えています。
全く奢ることのない将棋に対する真摯な姿勢は、尊敬し感服します。
また、NHK杯初優勝時の30年前と現在との立ち位置にも触れています。30年経てば、後輩、若手と対戦する流れは自然であり、その流れの中でどれだけ頑張っていけるかだと。
そして、タイトル奪還への意気込みについても答えてくれています。
まず、「根本的なところで若い人が強くなっている」ということ。それゆえ、「自分自身の棋力を充実させていくことが最初の課題」だということ。
現状とやるべきことを明確にした上で、「それがうまくいったときにチャンスがある」ということ。
これについては、「あるかどうか分からないですけど」と謙遜していましたが、羽生善治九段なら当然まだまだそのチャンスは来るはずです。というか、来てくれないと寂しいです。
羽生善治九段も、「そのチャンスを目指していく感じです」と言ってくれています。
「羽生善治九段」から「羽生善治・タイトルホルダー」へ。できればまた、「羽生善治三冠」のような複数のタイトルをとってほしいと心から願います。
近い将来、「羽生善治×藤井聡太」のタイトル戦は、全将棋ファンが待ち望んでいるベストカードです。その日を楽しみに待ちたいと思います。
今後の、羽生善治さんのさらなる活躍をお祈りしています。
一般棋戦優勝回数ベスト10
1位・羽生善治、45回
2位・大山康晴、44回
3位・中原誠、28回
4位・加藤一二三、23回
5位・谷川浩司、22回
6位・米長邦雄、16回
7位・内藤國雄、13回
7位・森内俊之、13回
9位・佐藤康光、12回
9位・丸山忠久、12回
11位・丸田祐三、10回
11位・森安秀光、10回
11位・渡辺明、10回
やはり、そうそうたるメンバーが並んでいますね。升田幸三さんがいないのはちょっとさみしいかなというくらいで、あとは納得いく方たちばかりです。
将棋界、どんどん盛り上がっていってほしいと思います。