冥王星の海 凍らない理由 メタンハイドレートが断熱材
冥王星が惑星からはずされてから年月が経ちましたが、未だに未知の星として探査が行われています。太陽から最も離れたかつての第9惑星の表面温度は零下220度。この温度で地下海が凍らない理由は解明されていませんでした。
冥王星の海 凍らない理由
北海道大、大阪大、神戸大、徳島大などの研究チームの論文が、英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に掲載されました。
それによると、地表を覆う氷と地下にある海の間にメタンハイドレートの層があれば、水が凍らずに存在できることを数値シミュレーションで明らかにしています。
冥王星の海 凍らない理由 解明へ
2015年の観測から、冥王星は表面を覆う氷の地殻、その下に地下海、中心に岩石核があると考えられています。岩石核に含まれる放射性物質が熱源になっています。
しかし、極寒である冥王星の地下になぜ「海」が存在できるのか?
研究チームは、地表を覆う氷と地下にある海の間にメタンハイドレートの層があれば、水が凍らずに存在できることを数値シミュレーションで明らかにしました。
実は、地下海は土星や木星の衛星にもあります。極寒の地でも液体の水が維持できる仕組みが解明されれば、地球外生命の可能性がより広がることになると言います。
冥王星 凍らない理由はメタンハイドレート
メタンハイドレート
低温、高圧の条件下でメタン分子が水分子に囲まれた、網状の結晶構造をもつ包接水和物の固体。堆積物に固着して海底に大量に埋蔵されている。
メタンは、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分であるため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギー源であるとされるが、メタンハイドレートについては現時点では商業化されていない。
化石燃料の一種であるため、再生可能エネルギーには含まれない。天然ガス資源として有望視されている。
近年では日本周辺でも,四国沖の南海トラフや十勝沖など北海道周辺を中心に分布することが確認され,日本国内の年間天然ガス消費量の約 100倍に相当する約 6兆m3のメタンハイドレート資源量が見込まれている。
2001年には経済産業省により「メタンハイドレート開発計画」が策定され,資源量の確認と,採掘技術の開発が進められている。
低温・高圧環境でメタンが水と結合して結晶化するメタンハイドレートが、氷に比べて熱が非常に伝わりにくいそうです。
研究チームは、岩石核内の有機物から供給されたメタンが氷の地殻と地下海の境界にメタンハイドレート層をつくると仮定して、冥王星誕生から現在までの約46億年間、内部の温度変化をシミュレーション計算しました。
その結果、ハイドレート層がない場合は10億年近く前に地下海は凍結し、存在する場合は断熱材として働くことでほとんど凍結しないことが明らかになりました。
また、表層の氷はすぐに冷え切ってしまって固くなること、観測されたように不均一な厚さになることもつきとめています。
この解明により、「宇宙には思っている以上にたくさんの海があるのではないか」という話に発展しています。
冥王星 凍らない理由 思慮…
このようなことが事実として伝わると、過去教えられてきたことも、真実なのかを検証することが増えていくのでしょう。
例えば、地球には氷河期がありましたが、海の中はメタンハイドレートにより生命体がいた可能性があるかも知れません。
マグマのような高温の物質があれば、適度な熱が与えられている環境では、やはり生命体がいた可能性があるかも知れません。
現に事実として、深海にも生命体は存在します。深海のような高い水圧下でも行き続ける生命体がいるのですから、一定条件が整っていれば可能なことです。
想像は広がるばかりです。メタンハイドレート以外にも、同じ役割りを持つ物質はあるでしょうから、水の存在はもっと宇宙の天体で見られる可能性もありますし、そもそももっと過酷な状況でも、そして水などなくても生命体がいることは、不思議なことではありません。
このように考えると、やはり人間が知り得ることなどたかが知れていると思わざるを得ません。
改めて、宇宙は広い……………
冥王星が惑星から外れた理由