大宰府展示館 有料化
福岡県太宰府市にある博物館「大宰府展示館」は、「令和」ゆかりの地として人気になっています。これにより観光客が急増したため、有料化に踏み切ることになりました。
大宰府展示館 有料化「令和」で観光客急増 7月1日実施へ
太宰府市の楠田大蔵市長は、「令和の聖地」として観光客が急増している「大宰府展示館」を有料化する方針を打ち出しました。この入館料の有料化は、5月31日からの定例市議会に関連条例の改正案を提案することとなっており、可決となれば7月1日から施行されることとなります。
大宰府展示館 有料化は再開だった!?
大宰府展示館は、1980年に開館しました。2007年に小中学生を無料にするまでは、大人150円、小中学生100円の入館料となっていて有料でした。そして、2010年からは全て無料となりました。
今回の条例改正案では、一般が200円、高校生・大学生が100円、小中学生は従来通り無料となります。
今回の有料化について、楠田市長は「梅花の宴」以外のジオラマを設置するなど「展示内容の充実を図る」こと、駐車場の確保などによる臨時支出が約1000万円あったことが有料化の理由として挙げています。
この有料化を機に、長年の課題となっている「市内周遊型の史跡観光」を定着させたい意欲もみせています。市長の「一過性には終わらせない」という言葉がそれを物語っています。
大宰府展示館 入館者急増 観光客も急増
太宰府ゆかりの新元号「令和」が発表されると、大宰府展示館は脚光を浴びることとなり、「令和」発表前に1日20人ほどしかなかった来客数が、発表後には6日間で1万人を超える報告がされています。
また、この2カ月間で約7万5000人が入館したそうで、昨年度が合計で約1万3000人だったと言いますから、大幅な増加となっています。
少し落ち着いてきた今も、平日に約700人、土日は約千人が入館するそうです。継続していくためには今が大切です。大宰府展示館だけではなく、周辺の観光スポットの魅力も打ち出して「市内周遊型の史跡観光」を完成させることが急務とも言えます。
大宰府展示館 なぜ令和ゆかりの地?
それは、新元号「令和」の典拠となったのが、万葉集の「梅花の歌三十二首の序文」だったことにあります。
序文が、8世紀前半に大宰府で開かれた「梅花の宴」の時に詠まれた歌32首につけられたものになっています。そして、太宰府天満宮が「天神様」である菅原道真と「飛梅」伝説で知られる梅の名所となっています。
これにより、「令和の聖地」として福岡県太宰府市にある太宰府天満宮に注目が集まりました。
ツイッター上では、「令和の聖地として福岡の太宰府天満宮がめちゃ混みそう」とか、
「元ネタの地は太宰府らしいから太宰府天満宮ますます人気でるね」などのツイートが相次いだことも、人気に火を付けた要因です。
これらにより、博多人形で再現した大伴旅人の邸宅で開かれた「梅花の宴」の立体模型などを展示している大宰府展示館に訪れたいと思う人が増えて人気となりました。
大宰府展示館
住所:福岡県太宰府市観世音寺4-6-1
電話:092-922-7811
最寄り駅:都府楼前駅[出口1]から徒歩約11分
営業時間:開館:9:00~16:30 休館:月曜日、12月28日~1月4日
駐車場:30台
大宰府跡の発掘調査により出土した、平安時代の遺構を覆って保存、公開しています。また、大宰府の歴史を紹介する出土品や復元模型などの資料を展示していて、ビデオ上映も行われています。館内には、ボランティアの大宰府史跡解説員が史跡めぐりの案内をしてくれるので、歴史に詳しくなくても楽しめます。
主な展示品
大宰府政庁模型 観世音寺模型 大宰府旧跡全図(北) 梅花の宴の人形 石帯 宴の食事 玉石溝 鬼瓦 文様塼 水城木樋かすがい 館内の主なコーナー
遺溝展示 食と器 古代寺院 都市 防衛 観世音寺 大宰府政庁 遺跡展示 ビデオ
隣接する史跡散策場所
学校院跡、観世音寺、戒壇院、水城跡、大野城、国分寺