名越康文【マインドフルネス】効果は脳科学でも 瞑想…ストレス低減

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マインドフルネスとは、今ここにただ集中している心のあり方のことだと言います。雑念がなく、リラックスして「ただ今」だけに集中して研ぎ澄まされている状態です。それが最も自分の力を発揮できる状態と言います。

その状態そのものも、それを目指すプロセスもマインドフルネスと言います。そのマインドフルネスですが、「禅の瞑想法を欧米でアレンジして、それを日本に逆輸入したものが主流」ではないかと、精神科医の名越康文さんは言います。

この記事では、「マインドフルネス」について掘り下げます。その効果、瞑想とどう違うのか、目指すもの、必要である理由についてまとめます。

 

 

名越康文 マインドフルネスを掘り下げてみる

まず「瞑想」とどう違うのかですが、大きな違いはありません。瞑想は古くから禅やヨガで行われているものですが、マインドフルネスとはイコールでもありません。

アップル創業者のスティーブ・ジョブズなど、瞑想を習慣にしている人もいますので、それだけ効果を実感できる素晴らしいものですが、悟りを開くと言った宗教的な内容が絡んでくるので、敬遠する人が多いのも事実です。

その点、マインドフルネスは、形式的には瞑想と同じであっても気軽にできるものと考えてもらえればいいでしょう。

 

マインドフルネス瞑想の目的

マインドフルネス瞑想の目的は、注意力が散漫な状態から抜け出して、自身をマインドフルな状態に持っていくことにあります。自身の内側で起こっていることに注意を向け、観察しつづけるための脳や心のトレーニングだと考えるとよいと言います。

「マインドフルネス瞑想」は、私たちの頭のなかをスッキリとさせ、新しいことを考えたり行動したりするパワーを授けてくれるものです。一般社会との関わりで活かされる、現代人が必要な瞑想と言えるでしょう。

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「マインドフルネス瞑想」のやり方

姿勢を正して、ただ自分のしている「呼吸」に意識を向けます。そして意識が呼吸からずれたことに気がついたら、注意を呼吸に引き戻します。ただこれだけのシンプルなものです。

瞑想の基本となるのが姿勢と呼吸です。これが不自然だと、内面に意識を集中させようとしても、なかなかできません。私たちの心と呼吸と身体はつながっていると言います。自分でコントロールが困難な「心」と向き合う前に、意識して変えられる「姿勢」や「呼吸」を調整していくことが必要になってきます。

瞑想を深めるには、よけいな緊張をゆるめ、最小限の力で背すじをのばすことと言います。体の土台となる骨盤を起こし、左右の坐骨に均等に体重を乗せます。そして、体の中心軸を探るために、上体を前後左右にゆっくりとゆすります。その後ゆれを少なくして微調整します。中心軸が定まったら背骨を最大限に伸ばして余分な力を抜いていきます。

姿勢が調った後は、「呼吸」に意識を向けます。呼吸の長さや強さは、気分や感情、心のふるまいに同調していると言われ、呼吸に対する注意力を養えば自分の感情に気づきやすくなります。さらに、呼吸に意識を向けることは「今、ここ」につながることを促します。呼吸は「今、ここ」にあるという感覚そのものだからです。

 

名越康文 マインドフルネスについて

精神科医の名越康文さんによる、マインドフルネスに通じる数々の言葉を見てみます。

 

ストレスの本体は「怒り」で、それを爆発させる人は、我慢という訓練をしてこなかった人です。怒りが他人に向かうのは「爆発」で、 自分に向かうのは「心身の不調」になります。これらは、感情にふりまわされている状態です。この感情を中心に座らせていてはいけない。

 

マインドフルネス瞑想で心を「無」にするのはすごく難しい。心を無にして孤独な状態を保つことは、ものすごく我が強い人か、非凡な天才かでないとなかなか続けられないと思う。

 

ひとりぼっちは、対象に没入する心のあり方です。森を歩く、大きな木に抱きついて木と一体感を味わう、お月さまの光を浴びて光と溶けていく心持ちになる。そういう自然と同調する、一体になるひとりの時間は全然寂しくなく、むしろすごく明るくて気持ちのいいもので心が豊かに満たされる。

 

問題の最も根本的な解決法とは、解決策が浮かぶことではなく、「そもそも問題ではない」と思えるようになることです。ひとりの時間を持てると、そういう発想の転換も起きます。ひとりの時間は能力開発のエッセンスと言えます。実はその一人の時間を持つことが、逆に世の中への自分のパフォーマンスもトータルで上げてしまいます。

 

マインドフルネスは、イライラ、不安、怒りと言った感情との向き合い方、心穏やかにいきていく方法なのですね。名越康文さんの以下の言葉が、言い得て妙だと思います。

「対人関係のストレスの多くは、実は現実の相手というよりは、心の中の他人によってもたらされるものです。」

こういったことをきちんと理解して、正しくマインドフルネス瞑想に向かえば、効果の高いストレス低減法となるでしょう。

 

最後に…

2月22日(金)20:00より、NHK Eテレで「人生レシピ 心穏やかに生きるコツ!マインドフルネスめい想」が放送されるそうです。ハリセンボンの近藤春菜さんがマインドフルネス瞑想を体験したり、深い悲しみにおそわれていた女性がたちなおる軌跡が紹介されたりします。名越康文さんが解説されるそうなので、今から楽しみです。