カルロス・ゴーン 記者会見の正義!?
保釈中に海外に逃亡した、日産自動車の前会長のカルロス・ゴーン被告の記者会見が行われました。そこで、彼が伝えた内容から注目すべき点をお伝えします。
告白、有罪、個人の正義、人質司法、不当な訴追、有罪率99.4%、独裁者、ケリー、ジュハリ、クマル、そして西川、豊田…
ゴーン会見
ゴーン被告会見
「私が告発されたのかわからないままだった」、「告白すれば全部終わるんですよと言われた」、「毎朝、彼らの言うなりになろうかどうか考えた」、「司法にそぐわないことをされた」、「なぜ私は日本を離れたのか」、「自分の無実を訴えて事実を持って言うことができる」、「今回は組織されたこと」、「なぜこの様になったか」、「日産の業績が残念ながらよくなかったこと」、「告白しろと検察に言わされた」……
冒頭からこんな調子で始まったカルロス・ゴーン氏の記者会見。すごく流暢に、水を得た魚のように、強烈なインパクトを持って始まり、そして続けられました。
この会見は、カルロス・ゴーン氏の一方的な内容です。ここでは、どちらの側にも立ちませんが、自身の非がどこにもない会見は違和感をおぼえることだけはお伝えしておきます。
では、途中休憩までの会見の概要を箇条書きでお伝えします。
家族に感謝します
家族も想像し難い苦しみを受けた
日本の人質司法に講義したい
私は逮捕されるべきではない
私は不当な訴追を逃れた
私は不正から逃れたわけではない
有罪率99.4%の司法制度のもとにおかれた
外国人の有罪率はもっと高い
検察は誤った情報を流した
私に対する起訴は根拠がない
全ての起訴内容は中傷キャンペーンでしかない
2016年に西川氏にCEOを引き継いだが業績は落ちた
私は日産とルノーをより強い企業にするため統合を進めた
西川氏、豊田氏らが主要な人物
彼らが私に対する拘束劇を画策した
逮捕され5時間で小菅の小さな独房に入れられた
私が逮捕されたのは支払われたもいない報酬について
事前に日産と検察との間で様々な準備が行われた
週2回だけシャワーを浴びた
130日間独房にいた、30分間だけ外に出られた
誰も英語、フランス語を話すことなく取り調べを受けた
大事なところで「話せません」「名前は出せません」が多い
さまざまな予備審問を受けたが
ボスは地検検事で判事ではなかった
指揮をとるのは検察官
スピーディーな裁判は基本的人権
基本的人権とかけ離れた裁判だった
私は人質となった
検察のルール違反に申し立てをしている
日本では有罪になるものがテネシー州では違う
私は利益を得たが会社にとっては損失になっていない
友人ジュハリ氏は全く問題ない
私のサインだけで支払われる金はない
ゴーンが自由に金を使い友人に支出したというのは間違い
日産は中東進出でディーラーにインセンティブを与える必要があった
日産の金がクマル氏の懐に入ったことはない
日産、ルノー、三菱自動車の市場価値が下がった
ベルサイユの問題でも避難されている
ベルサイユでの誕生会批判は人格攻撃
リオやベイルートの家は全て日産のものだ
西川氏とケリー氏のサイン入り文書がある
私は起訴内容に対して無実だ
私は日本を愛している、正義を求めたから日本を離れた
私は強欲な独裁者と言われているが心から日本を愛している
参照:AbemaTV
ゴーン被告 そもそも何をしたのか
ここで、カルロス・ゴーン氏が何をしたのかを簡単に整理しておきます。
カルロスゴーン被告は、現在までに4回も逮捕されています。
まずは、2018年11月19日の「有価証券報告書の虚偽記載」です。役員報酬を実際の金額よりも過少に報告していたというものです。その額、40億円の脱税です。
2018年12月10日、別の期間の「有価証券報告書の虚偽記載」が新たに発覚しました。その額も、40億円です。
ここまで、カルロス・ゴーン被告は完全否定しています。
2019年12月21日、「会社法違反(特別背任)の容疑」で逮捕されています。これは、カルロスゴーンが出した私的な損失を日産株式会社に押し付けたというものです。
その内容は2つありますが、その額は18億5千万円と16億円と言われています。
そして2019年4月4日、別の内容の「会社法違反(特別背任)の容疑」で逮捕されています。このときの日産の被害額は、5億6千万円と言われています。
ただし、これは報道された内容からのものであり、どこまでが真実かはわかりません。
カルロス・ゴーン被告は、日産自動車の一部の幹部による「社内クーデター」だとし、日産の会長から失脚させることで、ルノーとの経営統合を阻止しようとしたと主張しています。
一方日産は、「会社として適正かつ公正に内部調査を実施した結果、ゴーン元会長による数々の不正行為を確認し、社内のすべての役職を解任した」とし、カルロス・ゴーン被告がコンプライアンス上、重大な違反を犯したとしています。
ゴーン被告 日本脱出の逃亡の経緯
そもそもルノーと日産の関係ですが、ルノーが親会社になっているのに日産の方が売上が多いという構図で、当初からこの関係は微妙な部分がありました。しかし、カルロス・ゴーン氏が果たした経営手腕は評価すべきものも多くあると言われています。
外側からは憶測を拭えない部分もあるのですが、今回の逃亡はこの辺りの構図も関係していることだと、有識者で伝えている人もいます。
今回、保釈中の日本脱出という逃亡劇が行われたのですが、現在いくつかのことが明らかになっていますので、お伝えしておきます。
以下の内容の出典:https://www.fnn.jp/posts/00429886CX/202001062027_CX_CX
カルロス・ゴーン被告のレバノン逃亡は、ある協力者とともにタクシーや新幹線で移動をして出国したと言われています。
2019年12月29日、東京都内の制限されている住居から徒歩で近くのホテルへ。そこで、その協力者と落ち合う約束をしてタクシーでJR品川駅に向かいます。
その後、新幹線に乗り換えて新大阪駅に移動。駅前からタクシーに乗って、関西空港近くのホテルに立ち寄っています。
そして夜になり、楽器や音響機材を入れる大きなケースの中に身を隠し、関西空港からプライベートジェットで出国。
これが、逃亡の流れだと見られています。
流れを書くだけだと、いとも簡単に出国できてしまっていますが、実際もそんな感じだったのではと思えるほど、あっさりと逃亡が完成しています。
これに対しては、有識者の方の多くが「日本のセキュリティ上の失態」を世界の笑いものであるとして伝えています。
実際、出国にあたって、関西空港ではケースなど大きな荷物のエックス線検査は行われなかったと伝えられていています。
ただ、被告に近い人物は楽器のケースに隠れていたことを否定していますし、真実はまだ明らかではありません。
最後に…
カルロス・ゴーン被告の不正疑惑から始まったこの一連の事件は、本人の不正の真偽はもちろんですが、日本の司法制度の問題が浮上して、より大きな問題になっています。
日本とレバノンに犯罪人引き渡し条約を締結されていないことを含め、国内、国外から批判にさらされている日本の司法制度。
カルロス・ゴーン被告は、二度と日本の地を踏むことはないという見方が大半になっていますが、今後どうなっていくのでしょうか。
今後、双方の観点から正しい解決に至ってほしいと願います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。